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たかが世界の終わり

 
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 遅ればせながら観て参りました。
 
 しかしですね、「はじまりへの旅」を観た翌日に観ちゃったもんで、家族愛を感動的に謳い上げたかの作品が、ヌル~いお伽話に塗り替えられちゃって、どおしてくれんのぉぉおお!!( ̄  ̄;)


 同監督作品「マイ・マザー」は、確かにこの若さで表現力豊かで演出も上手く、才能ある人なんだろうなと感じはしたけれど、思春期の子供のダダこねをずっと見せられたようで少々うんざりし、以降の作品は避けていたのですが...

 しかし今作での「家族」の描き方には、とぉ~っても共感してしまいました。
 こんなこと書くと、どんだけ心病んだ奴かと思われそうなんですが^^;

 家族なんてどこか歪で当たり前
 親子兄弟といえど、年齢も離れ、立場も違う者同士が集まった小社会
 血の繋がりが呪縛となって織りなす愛憎模様
 どこの家庭でも大なり小なり問題を抱えていると思うのです。

 
 不治の病に犯され死期が近い事を告げるため、十数年ぶりに帰省した主人公をぎこちなく迎える母親、兄、妹、兄嫁
 簡単には拭えない各々の確執が横たわり、切り出す事が出来ない
 果たして真実を告げる事が出来るのか?

 たったそれだけのことを、繰り広げられる会話劇だけで緊張感たっぷりにサスペンス調に仕上げる演出力は見事だと思います。

 もちろんその演出力は、出演者全員の演技力があってこそ成り立っているのは言うまでもないんですが。

 ただ、フランス人らしい、激しい自己主張のがなり合いに、奥ゆかしさを美徳とする日本人には少々辟易する場面もありますけどもね^^;


 自分はゲイだとカミングアウトした、まだまだ若いグザビエ・ドラン監督
 いったいどんな経験を経てこんな家族観を持つに至ったのか?

 酒でも飲みながら聞いてみたいもんです。

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  by sei0010 | 2017-04-07 01:07 | 映画

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